リクルートコミュニケーションエンジニアリング

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CROSS TALK - 01
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風土が反映される
会社の器をつくるのが課題。
風土が反映される会社
の器をつくるのが課題。

柳井

順調に育つ人たちが、いずれマネジメントに回っていくわけで、今それを育てる中核になっている人たちにも刺激を与えていかなければということですね。

インタビューシーン1
インタビューシーン1 河西社長

そう。ただし本人に何か足りないわけじゃなくて、会社が変わらないといけない段階だから。これまでは、それぞれの仕事のやり方や人の考え方を変えてきたところで、会社が変わるところまできていない。育っている人たちの、この風土が当たり前の器の会社を作っていかなければいけない。そこをやっている最中なんです。
また今後は、入社3年目〜5年目の10数人に、違うアプローチでCESをやってもらうことにしています。僕は今の環境・風土がいいと思っているけれど、若手本人たちはどう思っているのか。どういうあたりのコミュニケーションを掘り起こせるのがいいのかと、従来のRCEにはないプログラムを柳井さんに組むべく考えてもらっています。

西垣

今の育っている人たちが作っている風土が反映されるような会社の器を作るということですね。

インタビューシーン2
インタビューシーン2
河西社長

そう。これまでは主に僕や一緒に物産から来た役員や、一部の部長クラスが考えて動いてきたわけだけれど、これを今後は「会社」がやっていかなければいけない。それで4月にはCESを受けた社員が「いつまでも河西さんがいるわけではないし、河西さんがいなくなってもやっていかなければならない。自分がそういう部署作ってやる」と自ら手を挙げて、経営戦略室ができました。
そういう風に自ら言い出し動きだすというのがRCEのプログラムだと思う。
今三井物産の他関係会社にもこのプログラムがいいからと勧めているんだけれど、プログラムをしてもらってそこで終わらせたらだめですね。うちの場合はプログラムからのアウトプットを実際の現場に転換させて効果が出ていると思っている。やりっぱなしで満足してしまうなら、折角のプログラムの意味がないかと。経営戦略室に手を挙げた男性社員もものすごくやってくれていますし、営業だけど、新卒採用のプロジェクトに入れたら中核となって一生懸命やっていた女性社員が、プログラムを受けて「本当は私は人事で採用をやりたい」というから、異動させて全部任せてみましたけど、めちゃめちゃ頑張っています。他にも、最若手の支店長に登用した者、女性初の支店への異動をした者、皆、このプログラムで目指したいと言っていたアウトプットをベースに実現し、それぞれに活き活きと頑張ってくれています。

事業や数字はついてくる、
基本は「人」だから。
事業や数字は
ついてくる、
基本は「人」だから。

柳井

そのエネルギーで今の仕事をもっとやれとか、やるべきことをやったらいいんじゃないのという風に収めないんですね。やりたいことに本人が気がついて、そのために今うまくやっている人を別の部署に異動させたりするって、トップにそれなりの覚悟がないとできないと思うんですが。

インタビューシーン3
河西社長

いや、トップの一存ではなく間違いなく現場のコンセンサスを取れるところでやっています。人事と評価は、自分が来てから部長陣と一緒にやるようにして、最初は1日5、6時間で3日間かかりましたけど、今は相当効率的に出来るようになりました。月に1回の人事委員会では部長間で相談し、全体の組み合わせを見て、数年間でこの人をどう育てたいのかという視点で、もしこれを実施するとなると、「本人の仕事はどうなのよ。周りはどう思うの、代わりに誰を連れてくるのか」とかを、部長と一緒にみんなで相談してやっていて、少なくとも1年半先くらいまでのプランはみんなそれぞれに持っています。

インタビューシーン3 柳井

1月から4月には営業系・コーポレート系全ての部長と支店長を入れ替えるという大胆な人事をされたと聞いていますが。

河西社長

これは当初猛反対されたんだけれど、皆を説得して実行しました。僕が社長を定年までやらせてもらったとしても後1年なわけです。自分の後継者が来ても、絶対すぐにマネジメント層は動かせないだろうと、それこそ覚悟になっちゃう。
で、入れ替えたのは、社員みんなにキャリアは固定じゃない、自分で作っていけるんだということを見せたかった。ずっとやってきているフィールドは楽なんだけど、本人だって楽なところにいては飽きてくる。若い人たちも、全部入れ替えたら、ああなんでもあるのかもしれないと思えるじゃないですか。
結果、すごくいいですよ。入れ変わったマネジメント層の目の色が違う、一生懸命やるから社内全体がもう一段活気が出ましたね。営業間やコーポレートと業務が入れ替わっても大丈夫。仕事は回っていくんですよ、基本は人ですから。

インタビューシーン4
インタビューシーン4 西垣

CESプログラムのフォローを拝見しましたが、後ろで上司やオブザーブしている人が多かったですね。素敵なメッセージを丁寧に伝えているという印象でした。

河西社長

マネジメントには、教育というか人のために割く時間を優先的にしてくれと、見せているつもりだし、してもらっている。それは意識しています。三井物産のDNAですね。1人1人に時間をかけて手間をかけて、大事に育てる。
最初にマネジメント観を聞かれたけれど、結局僕は人のことを信じているし、好きなんですよ。仕事が好きなんじゃなくて、会社に来てみんなといるのが好き。どういう飲み会が好きか聞かれると、会社のメンバーと飲みにいくのが好きって言います。飲み会では、みんな結構言いたい放題、社長だからって容赦ない。でも彼らにだったらいじられるのも心地いい。なんといっても6年間かけて好みの人材を揃えてきたんだからね(笑)。

インタビューシーン5
インタビューシーン5