リクルートコミュニケーションエンジニアリング

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CROSS TALK - 01
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「顧客のために」を追求すると
自分たちの自信にもつながる。
「顧客のために」を
追求すると自分たち
の自信にもつながる。

西垣

「目の前の顧客のために」という徹底はどのようにしたのですか?

河西社長

繰り返し、繰り返し、いろいろな場面で伝えるだけです。実際にそういう提案で、今までの8割の売り上げになってしまった仕事に対しても「よくやった」と。私だけでなく、部長陣にもそういう意識を徹底しています。
結果的に自分が来てから右肩上がりに数字は伸びていますし、やっていることは間違っていないと思っています。

インタビューシーン1
インタビューシーン1 西垣

ある意味、オーソドックスなことしかやっていないわけですね。

河西社長

そうです。あえて言うと時流に流されないというか。最近は過剰にハラスメントを恐れて、部下との間のコミュニケーションに変に気を使ったりするじゃないですか。そういう意味では、昭和を生きているのかもしれません。僕がこんな風なので1年生社員が社長の僕のところにやってきて普通に言いたい事を言って帰りますから。みんなそういう感じでやってくれています。

インタビューシーン2
インタビューシーン2
西垣

関係性の話ですね。組織風土をどう作るかで気にかけておられることはありますか?

河西社長

いや、好きな風にやっているだけです。飲み会も頻繁にやっているしね。
前に在ロスアンゼルスの関係会社の社長を務めていた時、日系アメリカ人やローカル社員に対しても同じようにやっていたし、国境とか関係ないんですよね。どこにいても変わらず、思っていることをやり、良いと思う姿を自ら見せる。そして一番いいのは、それをみんなが自然にやってくれていることですね。

インタビューシーン3 西垣

その結果数字が上がっている現実は大きいですね。

インタビューシーン3
河西社長

そうですね。それと数字だけでなく、MICの提案のお陰で本当に助かっているという物産の部署や関係会社や社外のお客さまがいっぱいいるわけです。社員が一生懸命やってくれるし、ありがたいとのお褒めの言葉がどんどん増えてくる。そうやって三井物産グループ内外の評価が高くなってくると、やっている方も気持ちいいじゃないですか。そういう好循環に入っています。もちろん押し売りしているわけではないですよ。三井物産グループの外にも、新規の新しい提案がどんどん増えています。もちろん、これが単一商品を売らなければならない会社ではなく、広くあまねく人に機能を提供している会社だからというのはあるかもしれません。
そういう意味では、僕はこれまで物流を提供してきたり、保険を提供したりと、商社の中でも機能提供型でやってきたから、僕のやり方や雰囲気というのがあっていたのかもしれません。

人を育てる仕組みで
自然に褒めて一体感もつくる。
人を育てる仕組みで
自然に褒めて
一体感もつくる。

柳井

御社の若手の方は元気で目線高く、総じてレベルが高いですよね。

河西社長

ありがとうございます。そうでしょう!元々、物産は人を育てるのがうまかった。その流れでうちも物産の仕組みを取り入れました。たとえば、マンツーマンリーダーや業務日誌を毎日手書きにして、みんなでそれを回覧するとかいったことです。僕が物産の時代からやってきた若手の育て方を全部持ち込んでやっています。ペンで手書きがいいんですよ。大学ノートにどういう配置でどういう行間で、どのくらい綺麗に書くかとか。

西垣

なるほど。あえて手書きがいいんですね。

インタビューシーン4
インタビューシーン4
河西社長

ペンで書き直せないから新入社員の日誌は最初は訂正ハンコだらけ。それが成長とともに減っていき、内容も簡潔になっていく。リーダーだけでなく、他の部署の先輩もコメントを書いてくれて、一体感もでてくる。書く方は褒められたいから一生懸命書くし、認められて自信をつけるわけです。そういう褒めて育ててくれる風土が自然に根付きます。内定者には連絡係として1年生社員をつけますが、誰も指示しなくても、1、2年生社員が3月に待ちきれずに内定者と飲みに行ってフォローしてくれたりするわけです。

西垣

人と人とのオープンで、ある種温かい関係を丁寧に紡がれているわけですね。

インタビューシーン5
インタビューシーン5 河西社長

厳しさはそれなりに必要だと思いますが、ある程度の年齢になれば自然に身についてくるものだから、若い人に厳しくしすぎることはいらないんじゃないかな。家族的な関係を目指しているのかもしれない。いいことばかり言っているようだけど、もちろん難しいこともあるし、馴染まない人もいる。そういう人たちが嫌な思いをしないようにもしたいと思っています。

西垣

いろいろ伺うとRCEが介在しなくてもいいのではと思ってしまいますね。

インタビューシーン6
河西社長

新人や若手はいいのだけれど、彼らに教えるべき今の部長、室長、中堅は、そういう環境・風土で育てられてきていない。彼らの気持ちを掘り起こして、彼らがより自発的に動けるようにしていくためにCESの必要性を感じました。
それと僕じゃなくて他人が言ってくれるからいいんです。僕がやりたかったのはこういうことなんだなと再確認できたし。
この手の研修は課題を与えて読んできて分析してとかいう受動的なものが多いじゃないですか。でもCESの課題は自分で自分の人生や考え方を掘り下げる。その手法も1対1ではなく、グループで。でもそのグループの組合せも大事だという事が分かりました。柳井さんとも話すけれど、それまでの経験やいる立場、性格とかも踏まえて話し相手となるグループを組み合わせる。上手くいくパターンとそうでもないパターンがあるから効果が高い組み合わせが大事だなと。
それから、会社に対する思いがない人にやっても意味がないですね。