コンサルティングアプローチに
限界を感じていた。
学生時代、ITベンチャーでアルバイトをしていましたが、起業を考え、物づくりと商いを学ぶために機械商社に入社しました。法人営業を経て、社内改革プロジェクトで外部のコンサルティングファームと共に事業の建て直しに10数年従事。その間、もっと会社を変えていくのに有効な方法があるのではないかと、並行して自費でMBAも取りました。その後、ハンズオン型のコンサルティングファームに転職。経営コンサルティングを経験しました。30代半ばまで、ずっと自社や他社の事業の立て直しに関わってきましたが、いわば外科手術。結果は出ても、そこで働く人たちは必ずしもハッピーになっていないことに疑問を持つようになりました。他に方法はないのだろうかと模索する中で出会ったのが、リクルートコミュニケーションエンジニアリング(現リクルートマネジメントソリューションズ)。
コンサルタントの中には、机上論で抽象的な話をする人が多いのですが、コンサルタントでも、一目置かれる人は、顧客の現場やサービスや商品をないがしろにしません。CEにも同じものを感じました。
実践の深い谷を越える
アプローチに驚き。
入社してすぐ、ある企業でCESのオブザーブをしました。幹部同士が不協和音状態だったのが、わずか1日半で、その発端だった人が心から謝り、周囲もそのことを受けとめ協力して前に進む状態になったことに大変驚きました。信頼というものを意図して再創造できるなんて思ってもみませんでした。CESはコンサルティングアプローチと決定的に違っていました。コンサルティングは、環境分析して戦略立案して行動計画に落として実行です。でも時として、現実には計画と実行との間に様々な理由から深い谷があって実行がされない、継続されない、スピードが遅いという問題が起きますが、コンサルティングアプローチは実践行動を引き起こす効果的なアプローチに乏しく、結果ベキ論の押しつけで荒療治になっていく。場合によっては軋轢が生まれスタックすることも多い。一方、CESはその人・組織の中の意欲を再喚起し、協働者との間に信頼を再創造する。エネルギーが引き出された状態で現実を直視し、実践の第一歩を引き起こすことにより、深い谷を越えられるのです。
本気で育成しようとする
先輩たちがいる。
入社してから、先輩CEとのやり取りの中で、「お前の企画はペラペラで薄いなあ」「報告書は何が言いたいかわからない」「お前は人の気持ちがわからない」とか、先輩CEたちにずいぶんなことを言われていました。ある時、別の先輩に愚痴を言っていると、「みんなお前がCEとして1人前になるために本気で向き合っているから言っている、そんなこともわからないのか!」と怒られました。それまでもそういわれたことは何度もあったけれど、その時に全部がつながって、自分の中で見方・感じ方が変わるきっかけになりました。自分の仕事でものすごく忙しい先輩たちが、真夜中に送った資料にメールをくれたり、自分が成長するための納品機会を必死で作ってくれたり、他部署とのつながりを作ってくれたことなど色々なことが思い出されて、本当に見守ってくれた先輩たちへのありがたさと、自分の浅はかさに涙が出てきました。少しでも自分もそういう風になれたらと思っています。
ひとつひとつ
体にいれていく。
今までいろいろ経験してきたし、やってきた自負がありましたが、CEになってからは「人の話を聞いていない」と小学生のようなことを言われ続けてきました。『聞いているんだけど、何がダメなんだろう』とよくわからないことが続きましたが、少しずつですが最近、『こういうことが足りなんだ。ダメなんだ。』と実感し、腑に落ち、多少なりとも前に進めたように感じています。入社前は、CESとは知識とか体系化されているノウハウのようなものだと思っていました。『それを習得すればいいんだ』と漠然と考えていたのかもしれません。しかし、今は技術・技能の世界だと感じています。体に入れるという感覚で、その深さ・重さ、難しさを痛感しています。プログラムがすごいので、きちんと運営できれば、ある程度の結果は出る。でも先輩CEの領域にはまだまだ届かない。それが自分をもっと頑張らなければと鼓舞するところでもあり、やり続ける価値を実感するところでもあります。