男子一生を
賭けるに値する仕事とは。
リクルートの住まいカンパニーで、お客様の中に入り込んで営業をしていました。自分たちの媒体だけでなく、先方の広告全てのマーケティングも手伝って、お客様の収益にも貢献。部内で表彰されるような業績も出していました。お客様からは採用や教育のご相談も受けるようになりましたが、この部分に関しては素人。答えられないもどかしさや悔しさに、そういう領域への興味が増していました。それで人や組織というキーワードを探していったら、CEの下出さんの記事が出てきたのです。正直、CEが何をやっているかわからない。でも、「男子たるもの一生を賭けるに値する仕事だ」というキャッチが響きました。自分も30代になる。20代が中心のリクルートに、こんな50代がいて、こんなフレーズを語るというのは何なんだろうと興味を持ちました。
ここでプロになりたいと思う。
当時のリクルートコミュケーションエンジニアリングの社長に会って感じたのは、よくわからないけれど、ものすごく誠実で本当に真剣に仕事というか、目の前のお客様のことを考えているということ。自分たちは「コミュニケーションのプロ。医者で、患者がいるとして、コミュニケーションで解決できるなら処方する。それ以外はわからない、でもその領域ではプロとしてやっている。自分たちがやることは明確にしているし、それ以外に関してはプロじゃないから、できないことがあると包み隠さず伝えている」と言われました。そこまではっきり自分たちはこの領域のプロなんだと言い切るところが、圧倒的に自分とは違うなと感じました。お客様の中に入り込んで、数字もあげていた自分ではあるけれど、そんな風にプロだと言い切れるものはなかった。だから本気で、ここでプロになりたいと思ったんです。
日本一を目指した
アメフト時代を思い出した。
最初の半年。一時期、先輩CEの前でよく泣いたことがありました。それは僕にとって、しんどいけれどすごくよかった。仕事で悔しくて、泣いたりすることって今までなかったんですよ。それが、本気で仕事に向き合っている先輩がいて、厳しいけれど愛情を持って自分にも向き合ってくれる。今振り返ると、お客様に真剣に向き合う先輩CEの熱量に対して、「構え」の時点で違うので、仕事の話をしては切られまくっていた。そういう真剣度合いに向き合うのが怖いくらいの思いで涙を流していました。それは、日本一を目指していて、学生日本代表をやっていたアメフト時代の感情に近いものでした。
さらにオブザーブするプログラムでは、モニターなのに感極まる受講者がいたり、普通に接したら起こりえないことが起きたりしている。だから自分もプログラムを扱えるような、そういう力量を早く身に付けたいと思っていました。先輩には、「お前、何もわかっていないな」って言われたと思いますけれど。
お客様に対する真剣度では
負けたくない。
今も悔しいことはあります。ちょっと成長したなと思うと違った切り口を与えられるので、また戻される。その連続なので迷子になるんです。
でも先輩との差は理論面ではまだ相当離れているけれど、目の前のお客様に対しての真剣度については負けたくありません。CE の文化だと思うのですが、「サービスを外せ。目の前のお客様が悩んでいることを自分はどう感じているのか、自分ならどうするのか。」と繰り返し言われます。自分たちの持っているサービスから考えるのではなく、お客様ありきで考え抜く。前職でお客様のことを考えてはいたつもりですけど、やはり数字や自分たちのサービスへの意識が強く、そこが全く違うと思います。先輩CEのように、ものすごくいい場を作れるような端的で相手に響く言葉を発せられるようになりたい。そのために、「CEの基本に忠実にやる、楽をしない。」「忙しいとか難しいを言い訳にしないで原則にのっとる。」「先輩との打ち合わせは必ず入れて、毎回切られて修正して、より良いサービスを磨く。」ということを地道に続けていきます。