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今回、レポートの対象となったX社の開発部門の取扱い製品は、携帯電話やデジタル家電ような、技術革新が非常に速く、機能が急速に複雑化・多様化しているエレクトロニクス製品である。 そのためX社では、ソフトウェア技術者の慢性的不足が生じ、外注費=開発コストが増大。プロパーの開発技術者が連日連夜働いても開発が追い着かず、メンタルヘルス問題も発生する上に、利益すら出ないという危機的な状況に陥っていた。
こうした現状を打破すべく、X社は開発業務の効率化とコストダウンを目指した「構造改革」戦略を打ち出した。 開発部門の人材は多様化し複雑化し、しかも目まぐるしく変化する顧客の目先の要求に対応するだけですでに精一杯で、中期的な取り組みが必要な構造改革にまで手が回らないのである。事実、X社は過去何度も構造改革に取り組もうとしていたが、今回も改革は遅々として進んでいなかった。 構造改革推進の指揮を執る役員のZ氏は、「半年前にこの部門の責任者に就任し、構造改革の必要を各部署の部門に訴えてきたが、期待するような現状分析報告書は提出されず、会議を開いても全員が揃わない。この現状を何とかしたい」と、コミュニケーションエンジニアの松雄と橘に相談をもちかけた。 |
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開発部門の各部署の部長も、構造改革を進めない限り、事業自体が衰退していく運命であることは頭では理解していた。しかし、日々の業務に忙殺される中、改革プロジェクト推進のために何から手をつけてよいのか途方に暮れていたのである。 なによりも、構造改革のためには部署間の協力が不可欠だが、新規の開発部門であるため、部長クラスのほとんどは社内の他部門や他社から移ってきた人材であり、互いを個人的にまったく知らず信頼関係も希薄であった。 |
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「それでも、一人ひとりとお会いして話をうかがってみると、それぞれに素晴らしいキャリアの持ち主であること、また、皆さんが強い思いをもってこの開発部門にやって来ておられることが分かった。ここで互いの経歴や思いを共有することができれば、パートナーとして認め合い、構造改革を推進するエネルギーを引き出すことができるのではないかと考えたのです」(松雄) |
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